たまに映画、展覧会、音楽など。

「藤城清治展」(自宅スタジオ)

先日、藤城清治の個展に足を運んだ。 その色鮮やかな影絵の世界を観ていると、色は朽ちないものと信じてしまう。 そして影の世界からひょっこり現れる愉快な仲間たちに、私はいつも微笑み返してしまう。 にこり。そのとき、小人が一人、私の元に飛び込んでき…

高木正勝「Girls」

今日は音楽の話。聴けなくなった音楽がある人は多いだろう。 かつてあんなに聴いていたあの曲が、 今はあまり心に響かなくなって聴かなくなったり、 あるいは聴くのに耐えられないくらい切ない思い出が入り込んでいて聴けなくなったり。音楽は、あらゆる芸術…

「シュルレアリスム展」(国立新美術館)

今日の話題は、シュルレアリスム。そう、精神の最大の自由。 「シュルレアリスム、男性名詞、心の純粋なオートマティスムであり、 それにもとづいて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の実際上の働きを表現しようと企てる。」 言ってしまえば、…

村上春樹 『スプートニクの恋人』

彼がやってきた。こんな文章も書けるんだね、知らなかったよ。 私は、素敵な文章を書く人が好き。 いつも恋をしてしまう。いつも、いつまでも。今までの文章は明確でかつ緻密で、読者にどこにも入らせる隙を与えなかったのに、 回はまるでジェットコースター…

「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」

多くの日本人に愛されている画家といえばフェルメールが頭に浮かぶ。 2009年のルーブル展のときに観た「レースを編む女」。 彼女の細やかな手つきに惚れた私も、 多くの日本人と同じく、フェルメールの創りだす世界を心から心から愛してる。 今回もその「細…

プラーツ『ムネモシュネ』、松岡正剛『多読術』

実は、ひそかに父がブログを書いている。 気まぐれに覘いているのだけれど、 同じ本を手にとっていることに気づき、失笑してしまった今宵(笑) (『思考の整理学』について書いていた) まだ読み終えていないので、先を越されたようで心外だが、 年末年始に実…

「樹と言葉展」(高知県立牧野植物園)

〜牧野植物園にて、いしいしんじのトークライブに行ってきました。 今、“目の前で”小説が紡がれていく。 カリカリという鉛筆の音と、言葉を読み上げていく声だけが、 小説が生まれていく瞬間を刻みつける。 鉛筆の黒鉛の先から形づくられている言葉は、 葉が…

松岡正剛 『知の編集術』

2010年から2011年にかけて、こもることにしました。 高知でもなく山口でもなく、 父方の実家にて、本とともに埋もれています(笑) ……というのも半分くらいうそで、実家のお正月の準備で忙殺。 大晦日から徹夜で本を読みましたが、 仏壇の前なので、なんだか、…

誉田哲也『武士道シックスティーン』

社会人になってから月に一度の読書会に参加できないけれど、 課題図書だけは読んでいます。今回の課題図書は「武士道シックスティーン」 誉田哲也 著 剣道部の女子高校生2人が主人公の、 武士道したたる、さわやかな青春小説です。 主人公・磯山香織のまっす…

おすすめの映画

秋もすっかり深まりました。 夏の終わりに買った無印良品のアロマフューザー!! 炊くタイプとは違って、ミストがほわほわ出てくるんです。 ライトもついていて、おいているだけでインテリア☆ ほんのり香るアロマに癒され、すっかりお気に入りになってしまい…

おすすめの本

元気にしていますか? 「今日何したの?」と聞くと (プールのことを)「うみ!」と答えたあなたは きっと今日も元気に幼稚園のプールに入っていることでしょう。きっとあなたのママは薦めることがないと思うので、 私から15年後の夏にオススメの本を2冊紹…

「ゴーギャン展」(東京国立近代美術館)

ゴーギャン展に行ってきました。 今回彼の最高傑作 『我々は何処からきたのか? 我々は何者か? 我々は何処へ行くのか?』 が初来日ということで 「月と六ペンスを卒論でやるんなら、観にいきなよ」と ゼミの先生にチケットまで渡され……(笑) まあ、とにかく…

アリスン・アトリー『時の旅人』

今回の読書会の本は『時の旅人』 アリスン・アトリー著 知る人ぞ知る(しかし私はあんまり知らない) メアリー・スチュアートの悲劇を元に創られたお話です 。メアリー・スチュアートは元々王位を持っていて フランスでは王妃だったというエライ立場の人だっ…

おすすめの映画

映画鑑賞1 「時計じかけのオレンジ」 意味深すぎてよくわからなかったけれど、 よぉく考えたらとても怖い映画でした。 いろいろな悪行をしていた主人公は警察に捕まり 服役していたんだけれど、 ある治療の実験台となることで出所できることになる。 その実…

映画「素晴らしき哉、人生!」

「素晴らしき哉、人生!」 ジェイムズ・スチュアート主演 1946年 山口の呑み屋はこっからとっているんじゃないの? 「すばじん」によく行く方は是非。人って、生きていることそのものが、もう素晴らしい。 いやいや、そんなこと言われても、 いろんな苦難が…

「奇想の王国 だまし絵」展 (Bunkamura)

Bunkamura「奇想の王国 だまし絵」展 代表作品は、アルチンボルドの『ルドルフ2世』 今、いたるところに絵が飾ってある、果物のあれです。 63個もの野菜で顔ができているという神聖ローマ皇帝のルドルフさん。 けど、これ、 諷刺してるわけでもなく、 万物…

おすすめの本

「心から一歩も外に出ないものごとなんて、この世界には存在しない」 1Q84年に生きたとある宗教団体の主宰者はそう言った。 どんな話というのは自分でもよくわかっていない。 確かなのは、1984年とは違う世界1Q84年の世界があって、 そこに生きる人々がいる…

「ルーブル美術館展」(国立西洋美術館)

高知は、春まっさかりです。 桜舞い散る昼下がり。 友だちと一緒に食べたご飯は本当に美味しかった。 ルーブル美術館展(国立西洋美術館)鑑賞。 今回は17世紀のヨーロッパ絵画。 17世紀は大航海と、科学革命の時代であると同時に、 飢餓と貧困の時代であっ…

春江一也『カリナン』

春江一也 『カリナン』読了。 喫茶店でお昼食べながら読み始めたらそのままはまっちゃって、 喫茶店3軒ハシゴして、一日で読みきってしまった。 『プラハの春』『ベルリンの秋』 に続く、この『カリナン』 今度の舞台は、フィリピンだ。 情けない話、 全く…

サマセット・モーム『人間の絆』

読みかけの本、 読んだけれど近いうちに読み返そうと思っている本、 読まなければいけないのにまだ読んでいない本。 今回は、3つ目にあてはまる本。 卒論のためにはまず読まなければと思ってずっと避けてきた本、 だって説教じみてそうで、堅苦しそうで、 …

おすすめの本

最近読んだ本などなどから。 まずは、 『マンスフィールド短編集』 西崎憲・訳 ちくま文庫 ココロの微妙な動きを繊細に、 かつ瑞々しく書き綴った作家、マンスフィールド。 女性ウケしやすい、多彩な描写と、美しい風景が並ぶ短編集です。 その中でもお勧め…

島本理生『あなたの呼吸が止まるまで』

「あなたの呼吸が止まるまで」 舞踏家の父を暮らす12歳の少女、野宮朔。夢は、作家になること。 一歩一歩、大人に近づいていく彼女を襲った、突然の暴力。そして、 彼女が選んだたった一つの復讐をかたち。 ***********************…

「コロー展」(国立西洋美術館)

久々の美術館。心うきうき。 音楽や、建築や、自然とか、世界にはいいものが沢山あるけれど、 私は絵画も一概にできないと思う。 今回観たのは、国立西洋美術館のコローの絵と、 新国立美術館の静物画。 そう。 夜行⇔夜行の東京日帰り旅行(笑) 知り合いの人…

読書日記。

高知こどもの図書館で開かれている読書会というのに参加してきた。 こどもの図書館だけあって、課題になる本はこども向けの本ばかり。 一回目の課題図書は『サマー オブ パールズ』。 最近の子どもがこんな本を読むのかぁと。 この本は、主人公の男の子が好…