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たまに映画、展覧会、音楽など。

「コロー展」(国立西洋美術館)

久々の美術館。心うきうき。

音楽や、建築や、自然とか、世界にはいいものが沢山あるけれど、
私は絵画も一概にできないと思う。

今回観たのは、国立西洋美術館のコローの絵と、
新国立美術館の静物画。

そう。
夜行⇔夜行の東京日帰り旅行(笑)

知り合いの人が車で東京に行くというので便乗して乗っけてもらい、
帰りは回数券を譲ってもらって、夜行バスで帰宅。
つまりタダの東京への旅。やったね。
たとえテスト中だろうと、タダで行けるのなら行くのが私(笑)
唯一テストがなかった水曜日のみの滞在でGO!

コローという画家は印象派、象徴派に大きな影響を与えたといわれている巨匠だ。
私は今までそんなに興味なかったのだけれど、せっかくルーブルからコローの絵がくるというのだから、行かないわけには行かない。
実際に行ってまず人の多さにびっくり。こんなにもコローは多くの人に賞賛されるべき画家だ。
それだけの作品も遺してきた。

風景画の中でもトップのなのが、『モルトフォンテーヌの想い出』。
絵の中央にあるの大木。
その大木が左の湖と左の薄暗い森を遮断しているようにも見え、
そんな絵がこの時代はたくさん描かれたのだという。

風景画も確かに素晴らしいけれど、私的には人物画が良かった!!
何が良いかというと、
ラファエロのような温かみ溢れる人でもなく、
ダ・ヴィンチのような神秘的な人でもなく、
印象派のような絵でもなく。
なんていうか、
その人物一人ひとりの芯が伝わるような画。

描かれている人の表情が何となく意志的で、
輪郭もはっきりしていて、
でも決してリアルすぎることもない。
言うのなら、どこか人の強さを感じさせるような絵だった。

こんな人を描くのか。
コローもたいした人だ。世の中はまだまだ広い。
今まで風景画家としてのコローしか知らなかった私には驚きだった。

特に良かったのは今回の目玉の『青いドレスを着た貴婦人』。
言葉通りの青いドレスが眼が覚めるような鮮やかさ。
こんなにときが経っても鮮やかさを維持しているということ、
あの時代にこの色を作りだせたことの感動。
そして、婦人の表情。
憂いをおびているようでそうではない。
優しく微笑んでいるわけでもない、もちろん無表情、というわけでもない。
じっと考えて込んでいるような、そうでないような。
ただ、立っているだけ。
その姿は強さは感じられないけれど、その人の中には何か秘めたものがありそうな、そんな感じがした。


それから「身づくろいをする女」というタイトルの小さなを絵をとても気に入った。

あまり裕福ではない若い女が髪をとかしている画。
ただそれだけなのに、ひどく美しかった。
女の人の生活に興味がある私は途端に吸いつけられてしまった。
豊かな栗色の髪の毛。とても長く、それを梳かしている優しい女。
多分時間は朝だろう。

今までルノワールなどのほうが興味があったため、
あまり注目していなかった画家だが、とんでもない、
根っからの天才画家がこんなところにいたのだ。
まさにルーブルにふさわしい。


卒論のテーマに絵画というのも盛り込まれそうなので、
最近また絵画鑑賞にハマっています。
自分にももう少し絵の才能があったらと(せめて人並みに)思ったことは何度もあったけれど、
今は絵を見るだけで満足です。

絵を見ることは、たった一枚の物語を見るようなものだと、最近思うようになった。
技法のレベルの高さや、目が惹かれる部分に見入ることも確かにあるけれど、
その絵に隠された物語を知るのが私は大好きです。
絵の横についている解説を書く人は、だからとてもうらやましい。
多くの人に、絵の物語を提供しているんだから。
そして小説の中に絵を登場させていたり、画家を登場させている人は、
もっとうらやましい。