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たまに映画、展覧会、音楽など。

アリスン・アトリー『時の旅人』

今回の読書会の本は『時の旅人』
アリスン・アトリー著

知る人ぞ知る(しかし私はあんまり知らない)
メアリー・スチュアートの悲劇を元に創られたお話です 。

メアリー・スチュアートは元々王位を持っていて
フランスでは王妃だったというエライ立場の人だったんだけど、
エリザベス1世に長い間幽閉されて最後には処刑されてしまう可哀想な人です。

多分世界史を真面目に勉強した人は知ってる名前(笑)
名声を遺しているエリザベス1世と対照的にメアリーは……

今回の物語は、そんなメアリーを救おうとする人々の元へタイムスリップしちゃう緑色のドレスの少女ペネロピーが主人公。

20世紀と16世紀を頻繁に行き来するんだけど、
突然ペネロピーが16世紀の世界に現れても
「あなた○○さんとこの子だったでね」と勝手に解釈され、
なされるがままに16世紀での生活を満喫します。
私の友だちは
「タイムスリップして気づかれないのはありえんやろ〜」
と言っていたけれどそんなありえない感じに私は好感を持ちました
はい。


旅は身軽に。単純に。

ちなみにその「緑色のドレス」に影響を受けて何だか緑色の服
(特にワンピース)が欲しくなったと言った私に一言、
「影響受けすぎやろ〜」
と言ったのもさっきと同じ友人です(笑)

その服、本当に印象的でした。
黒髪に緑色のドレスは似合うみたいですね。


それからメアリーを愛するアントニー青年が大事に持っていた写真入りロケットが、
何世紀も隔てた20世紀の世界で偶然見つかるのは何だか素敵です。

「時代」や「世紀」という言葉で置き換えることのできない
<時の長さ>と<時の重み>。


でも旅ができちゃう<時の軽さ>


ペネロピーはメアリーが処刑されてしまうと知りつつも、
でもそれを止めることもできずに見守るんですが
その姿は悲しそうでとても切なそう。

こっちもつられて切なくなるけれど、
でも歴史というのは止められないし変えられない。

それは一人ひとりの歴史のおいてもそうだと思うからこそ、
今のこの生活を思いきり大事にしたい。

タイムスリップものの中ではかなり面白い本です。
救えないと分かっている歴史を、物語としてどうオチをつけるのか
質の高いラストシーンに満足でした。