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たまに映画、展覧会、音楽など。

誉田哲也『武士道シックスティーン』

社会人になってから月に一度の読書会に参加できないけれど、
課題図書だけは読んでいます。

今回の課題図書は「武士道シックスティーン
誉田哲也 著

剣道部の女子高校生2人が主人公の、
武士道したたる、さわやかな青春小説です。

主人公・磯山香織のまっすぐな武士道の精神が、何だかすがすがしい。
私欲おさえて、よくよく鍛錬すべしを貫いて、
朝から晩まで竹刀ふっている女子高校生なんて、
今どきあんまりいないと思うのですが、そこがまたイイ。
何かひとつのことに取り組むときのその徹底ぶり、真摯さが、彼女にはありました。

何のために剣道をするのか、
悩むシーンがあります。
勝って一番になりたいから?
今の自分よりも成長したいから?
それは相手もしくは自分という比較対象あっての勝負になる。

そんなとき、父親が言います。
「打ち勝つ方法……。
それが好きだという気持ちを、自分の中に確かめるんだよ。
その好きだっていう気持ちと、勝負の不安を天秤にかけるんだ。
……不安のほうが重たかったら、それはやめといたほうがいい。
……好きだって気持ちのほうが重たかったら、
……そのときはもうやるしかないんだよ。負けたっていい。
やるしかないんだ。好きなんだから。」


あぁ、こんな台詞を前にどっかで聞いた。

「つらいだけならやめればいい。
苦しいだけならやめればいい。
けど、好きなら、最後まであきらめずに戦いなさい」

(とあるテニスマンガにあった台詞。
 中学時代に読んだのに、まだ覚えているって言葉の力はすごいね)
 

香織の師匠である桐谷師範の立ち振る舞いも凛として心奪われる。
“樹”のような人、らしい。(いつきではないよ!)
日本の文化でもあるこの武士道というのは、
なくしてはならない日本人の心なんだなぁと改めて思いました。


つつましく、穏やかに、
謙虚に、正しく。

守破離」という考え方もありました。
師匠からの教えをまずは守り、
次に一度破ってみる。
破ってみることで自分なりのスタイルが見えてくる。
そしてはじめて基本から離れて、自分を確立することができる。
そんな教えが武士道にもありました。


シリーズで「シックスティーン」から
「セブンティーン」「エイティーン」までありますが、
全部読むと、
なんだか剣道がしたくなる、
なんだか背筋が伸びてしまう(ご飯食べるのに正座になってしまった)。


剣道の世界の奥深さにも少し触れることができました。
一瞬のスキから生まれる好機。
竹刀から繰り広げられる様々な技、それをかわす身のこなし。
1対1、という世界にも憧れました。

読書会には行けなかったけれど、
読んでよかった3冊でした。

チャンチャン