「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー展」(横浜美術館)
沢木耕太郎『キャパの十字架』をようやく読み終え、美術館に行けた。
ゲルダ。
同じ女性として、ゲルダの生き方は衝撃的だけど、
その激しさが作品にも見てとれた。
26歳で取材中に命を落とし、
以来、キャパの恋人としか評価されてこなかった彼女が、
ようやく今回再評価。
沢木の本を読んでも同様の感想を持った。
キャパ。
今回なにより感動したのは「崩れ落ちる兵士」でもなく、
ノルマンディー上陸の写真。
腰まである海に身を投げ出し、
ドイツ軍からの銃撃を避けながら、
振り返っては上陸する兵士を撮影した。
ちょっとぶれてる
(後にそういうタイトルの自伝を出した)
写真だが、その場の混乱がよく見てとれた。
NHKの「その時歴史が動いた」を観たときの記憶が蘇る。
二人が共に取材したスペイン内戦に時を戻せば、
浮かぶのはピカソの「ゲルニカ」。
間違いなく「崩れ落ちる兵士」と共にスペイン内戦を代表する作品だろう。
ピカソもキャパの撮影した写真に写っていた。
ピカソだけじゃない。
ヘミングウェイも写っていた。
彼も記者としてスペイン内戦を取材し『誰がために鐘は鳴る』が生まれた。
そんな時代だ。
二人の写真から忘れていた「戦争」をあらためて感じた。
美術館をあとにしてから思い出した。
私が昨年書いた画廊の物語の舞台設定に
第二次世界大戦を取り入れたこと。
そもそも、小学校時代に書くことを始めたきっかけが
戦争時に書かれた『アンネの日記』だったこと。
大学時代、どうしてもアウシュビッツに行きたくて、足を運んだこと。
大学のときに創りたい雑誌のテーマのひとつが戦争だったこと。
2年前、広島の原爆ドームを歩いて、
体験者に話を聞いたこと。
多分、私のルーツのひとつはこの「戦争」にある気がする。
他にも書きたいことはあるけれど、とりあえず。