たまに映画、展覧会、音楽など。

2013-01-01から1年間の記事一覧

平野啓一郎 『本の読み方 スロー・リーディングの実践』

平野啓一郎著 『本の読み方 スロー・リーディングの実践』「本を読む」とはどういうことか。本屋に行けば、速読法の本が溢れている。皆、より多くの本を手にとろうとしている。 それもひとつの読書法であり、否定するつもりない。 だが、本を読むことはだ単…

「フランシス・アリス展」(東京都現代美術館)

フランシス・アリス展を観た。 ちょっとはっとした。砂塵を巻き上げる竜巻の中へカメラ片手に突入していく映像。 20分以上はあった。 その部屋に入ると、大きなスクリーンの前に、枕と敷布団が何個も用意されている。 つまり観客に「どうぞ寝ってころがっ…

「アントニオ・ロペス展」(Bunkamura)つづき

アントニオ・ロペス展を鑑た。 スペインで活躍中のリアリズム作家。 日本で今流行に極みみある「写実ブーム」だが、いったい写実とは何か?を 問い直す最高の機会を、bunkamuraがつくってくれたと思う。ロペスの作品は決して写真ではない。 確かに画像で鑑る…

「夏目漱石の美術世界展」(東京都藝大美術館)

「夏目漱石の美術世界展」を鑑た。 @藝大美術館 http://www.tokyo-np.co.jp/event/soseki/outline.html まさに漱石脳内美術館。 「吾輩」の装丁から始まり、 漱石が留学時代に見た ターナー、ロセッティ、 ジョン・エヴァレット・ミレイ、 サルヴァトール・…

村上春樹『色彩をもたない多崎つくると彼の巡礼の年』

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』について ネタバレなし。引用あり。 ストーリーは興味深くて最後まで読ませるだけの力はあったし、 「色彩」を軸に小説を進めつつ、 彼とヒロインとの会話は素晴らしいものであったけれど、 構成に関して…

「五百住乙人展」(京橋・金井画廊)

良い絵があった。「うずくまる」F8号 五百住乙人 「緑だ」と思った。全体が緑がかっている。 真ん中に大きく描かれた女性は横向きで、ひざをかかえてうずくまっている。 その女性と背景も全て淡い緑色。 女性は沈んでいるわけでも考え込んでいるわけでもな…

絵に刻む

絵を観るのと、本を読んだり映画を観たりするというのは、 全然違うと思う。絵を観るのは、絵から何かをもらうだけじゃなく、 絵に、自分の何かを刻む感覚に近い。部屋の片隅に飾ってある絵は、 とある洋画家が描いた男女の絵。 冷蔵庫近くに張ってあるカレ…

「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー展」(横浜美術館)

ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー @横浜美術館沢木耕太郎『キャパの十字架』をようやく読み終え、美術館に行けた。ゲルダ。 同じ女性として、ゲルダの生き方は衝撃的だけど、 その激しさが作品にも見てとれた。 26歳で取材中に命を落とし、 以来、キャパの…

エル・グレコ展(東京都美術館)

2013年春 展覧会まとめ(2) エル・グレコ展さてと。 先輩と後輩の展覧会も観てくれたかね? ラファエロ先輩(ルネサンス)、ルーベンス君展(バロック)。 東京では今、いろんな西洋美術展覧会がおこなわれていて、 私たちのような過去の芸術家からしてみ…

クラコレ展(三菱一号館美術館)

クラーク夫妻が集めた印象派前後の作品。 とりわけルノワールの収集に熱心だったみたいで、 日本にあるルノワール作品とは質が違う。 見処はルノワール部屋の10数点。 他にも、コローからピサロ、シスレー、ドガ、カサット、モリゾなど。作家に関係なく青系…

「会田誠展」(森美術館)

会田誠展「天才でごめんなさい」@六本木森美術館会田クンって、デッサンできるのよね。 もちろんそれだけじゃないわ。 なんていったってカオもいいし、頭もいいんだから。え、どういうことかって? アンタ、展覧会観たのにわからないわけ? アンタバカァ? …

演劇「ねこねこでんわ」(小劇場楽園・下北沢)

「解釈は自由である」 「物事は底辺からはじまる」そんな言葉が飛び交う演劇を見た。 まさに言葉が“飛び交”っていて、劇中ずっと何かしら言葉が発せられていた。 面白いのは、登場人物の台詞ひとつひとつにそんなに意味はなく、 言葉の乱取り稽古に近いよう…

「アントニオ・ロペス展」(Bunkamura)

アントニオ・ロペス展を鑑た。 スペインで活躍中のリアリズム作家。 日本で今流行に極みみある「写実ブーム」だが、いったい写実とは何か?を 問い直す最高の機会を、bunkamuraがつくってくれた。ロペスの作品は決して写真ではない。 確かに画像で鑑ると、写…